独断と偏見による、タイプ別エンジニア生き方戦略

この記事は マイネットエンターテイメント Advent Calendar 1日目の記事です。

はやいもので、気がついたら今年も残すところあと1ヶ月。12月の恒例行事といえばアドベントカレンダー!ということで、マイネットのアドベントカレンダーを今年もやることになりました。1発目は hirashi がお送りします。

 

 

この1年を振り返ると、社内外のいろんなエンジニアのひとたちと、面談やらなにやらで1on1で話す機会の多い1年でした。思い返してみると、エンジニアって本当にいろんなタイプの人がいるなあと感じます。

本稿では、そんな機会を重ねるなかで感じてきた、エンジニアのタイプ別分類と、それぞれの生き方戦略というか強みの伸ばし方、みたいな話をまとめてみようと思います。

 

モチベーション・達成感を感じるポイントによる分類

 

エンジニアとして働くこと・ものづくりをすることについて、

どこにモチベーションを感じるか。

どういうときに達成感を感じるか。

 

という観点で、下記の4つに分類してみました。 独断と偏見によるとても主観的な分類ですが、多くのエンジニアがおそらくいずれか(1つ以上)に当てはまるのではないかなと。

  • つくること自体に興味が強く、手段や方法にこだわるタイプ
  • 使ってくれるユーザーさんの喜ぶ姿が見たい、という思いが強いタイプ
  • 技術そのものを追求することに生きがいを感じるタイプ
  • 効率化やリソース最適化に情熱を燃やすタイプ

 

それぞれについて詳しく述べていきます。

 

つくること自体に興味が強く、手段や方法にこだわるタイプ

ものづくりに関わるものの思いとして、これは「そこに山があるから登るんだ」的な普遍的な欲求だと思っています。

どうつくるか、という部分に情熱を燃やし、それを考えたり実践したり議論したりすることにこのうえない喜びを感じるようなひとがこれに当てはまります。あるいは、技術そのものの追求よりもそれをどう組み合わせて最適なものづくりをするか、に興味が沸くことも多いかなと。

何を作るかについては、自分が作りたいものを強く持っている人と、何でもいいから何かお題を与えてほしい人と、両方のケースが含まれるかなと。前者についてはものづくりをするプロセスそのものに陶酔感を感じる場合、後者については「最近学んだこの手段を試しに使ってみたい」という気持ちから発生する場合が多いように感じます。

 

こういったタイプのひとがよりこの方向で強みを伸ばしていくには、

  • 手段の引き出しを広く増やし、
  • つくりだすことのアウトプットスピードを高め、
  • 細部にも気を配って品質にこだわること、

を目指していくことで、熟練のものづくり職人に近づいていくイメージです。

 

このタイプの人が陥りやすいこととして、目の前のことに視野狭窄になりすぎて本来の目的を見失いがちなことが挙げられます。作っていく過程でアイデアが膨らんでいろんなことを盛り込むようにあった一方で当初要件をそういえばちゃんと満たしてなかった、みたいなこと。趣味の世界での話なら楽しくていいのですが、仕事でそれをやると本人が思っている以上に相手から失望されたりすることもあったりなかったり。

 

使ってくれるユーザーさんの喜ぶ姿が見たい、という思いが強いタイプ

自分がつくったものをユーザーさんが実際に利用してくれて、それで喜んでくれると幸せを感じるひと。人の役に立ちたい、人の役に立つものをつくりたい、という思いが強いタイプがこれです。

逆に、ユーザーさんが喜ぶシーンから遠いところでの案件だとあまり気分が乗らないことも。B2BよりもB2Cのほうがテンション上がる、というひとはこのタイプに当てはまりやすいと思います。

 

困っているひとの課題を解決させることがこのタイプのモチベーションに適うことも多いです。状況ヒアリングからツール開発などを通じて解決実現まで一貫して関わって、そのひとの困りごとを解決させていくこと、そんな仕事スタイルがよりモチベーションが沸くでしょう。

また、課題を解決させるには、必ずしも技術的手段が必要とは限りません。「そもそもこれって必要あるんだっけ?」というところから考えると意外ながらもお手軽な代替手段が見つかることもあったりもします。

単に課題解決して喜んでもらうだけではなく、驚きの感情を提供したい、と考えるひとも多いと思います。意表を突くようなUIのギミックとか、ネタっぽいコンテンツとか、そういう方向にこだわりを持とうと考えることも多いかなと。

 

こういった方向で強みを磨いていくには、

  • ユーザーさんのことをよく知ること。観察すること。そのための努力を欠かさないこと。
  • 他のプロダクトやサービスを自分でもたくさん利用してみて、自分自身の利用体験を重ねること。
  • 機能要件だけでなく性能要件にも目を向けること。

がよいかなと個人的に思います。

 

またこの手のタイプの人にありがちなのが、実現したいことが実現できればよくてその手段にはあまり関心が沸かず、気がついたらコピペコードだらけになっていた、なんてことが多かったりするので、心当たりのあるひとは気をつけていきましょう。

 

技術そのものを追求することに生きがいを感じるタイプ

技術そのものへのアカデミックな探究心が強いタイプ。

世の中の新しい技術ニュースに触れることや検証を重ねて新たな知見を得ることが人一倍好きなひとが、このタイプには多いように思います。個別プロダクトを作ることよりも、それらを作るための基盤づくりに情熱を燃やす場合も多いかと。

この道を追求していくには、技術的なというだけでなく科学的なアプローチも必要になります。

 

似てて非なるケースとして、知識欲が強いだけのひとだとこのタイプには当てはまらなくて。単に、他人の成果を学んで満足するだけの知識欲オンリーでは違うんですよね。自らが新しい知見を産み出し、自分がその分野を切り拓いていくんだという気概が求められると考えています。

 

このタイプで活躍していくのに必要だと思うこと。

  • なによりも知的好奇心。ものごとの「仕組み」に興味が沸くこと。
  • 客観的なデータやエビデンスを重ねて、結論を導きだしていくこと。
  • その技術/知見について、分かりやすく周囲に伝える発信力。

 

最後の発信力は、このタイプの人に関係なさそうで実は重要なことだと思っています。

文章に書くことや口頭で話すことを含めてになりますが、自分が見知りした知見は、独り占めするのではなく周囲に波及させることでビッグウェーブになり、世の中に貢献する機会が増えより大きな価値を生み出すようになります。このためには他の人に理解してもらえるよう分かりやすく表現することが求められるのです。またそのためには日本語に限らず英語スキルが役に立つ場合も多いです。

 

効率化やリソース最適化に情熱を燃やすタイプ

直接なにかをつくることというよりも、効率化された状態や最適化された状態にすることに情熱を感じる、というタイプです。

人間だれしもが持つ感情の1つに「雑然としたムリムラムダのある状態を嫌い、整然とされた状態を好む、そうなるように行動したい」というのがあります。自分の周囲の環境・状況が乱れた状態だとどうも心が落ち着かない、という人はこれに当てはまりやすい、あるいは向いていると思います。

 

効率化・最適化したいと考える「対象」にはいろんなものがあります。たとえばまずは計算機リソースの最適化。DBチューニングとか処理速度改善、サーバインフラ費用削減などにやりがいを感じるエンジニアは多いはず。それからタスクやチームの効率化最適化を対象にするケースもあり。タスクディレクションとか、業務改善とか、スクラムとか、プロジェクトマネージャーとか、といった分野に通じます。人的リソースの最適化や、組織の課題解決、といったところになると経営マネジメントの視点も重要になります。

 

このような対象によりけりになりますが、この道で強みを伸ばしていくには、

  • 目的意識をもつこと。小さなことよりも大きな意義のあることを効率化・最適化することで、より大きな価値を生み出します。
  • 普段の仕事のなかでの課題発見・改善アイデア発案のちからを磨くこと。気づき力。
  • 解決を実現させるために、自分ひとりの手だけに限らず周囲の人を適宜巻き込むこと。

といったことがあるかなと思います。

 

チームの雰囲気や調和を重視するタイプの人がこれに近しいことが多いですが、ときにチームの調和とは相反することを目指す必要が出てくることもあります。そんな困難な状況でも効率化・最適化を実現させていくことが、この道を追求するときに求められたりもします。

 

 

終わりに

さて、以上4つのタイプに分類して、私が感じることをまとめてみました。 いろんなタイプがありますが、いずれもエンジニアとして活躍できる道であると考えています。自分のこの先のキャリアを考えてみるきっかけになれば幸いです。

 

 

さて。明日のアドベントカレンダーSakuyaNagata さんのターンです。お楽しみに!